11月10日に行われた政府のマイナンバー関連会合において、菅首相はマイナンバーカードと運転免許証の一体化させる時期について、予定時期よりも前倒しするように指示を行いました。この前倒しの指示により、2026年にマイナンバーカードとの一体化が全国一斉の運用開始予定でしたが、2024年度末に運用開始を前倒しする方向へと工程表が変更されました。また、警察庁では運転免許更新に必要な更新時教習に関しても、オンラインでの受講を可能にするよう2021年度から一部モデル事業として開始することを通達しています。行政のデジタル化に向けて、運転免許とマイナンバーカードとの一体化や、運転免許更新のオンライン化などドライバーにとって、気になる情報をこちらでご紹介していきます。
モバイル免許証?マイナンバーカードと一体化するメリット
行政のデジタル化を推進するべく、マイナンバーカードと運転免許証を一体化することが決定しました。時期としては、2024年度末の運用開始を予定しており、開始にむけて警察庁もシステムの準備を始めています。運転免許証がマイナンバーカードと一体化することで起こるメリットとは何があるのでしょうか。また、マイナンバーカードと一体化することに不安を感じている方もいらっしゃいますよね。こちらではマイナンバーカードと運転免許証の一体化に関する、メリットと不安点について解説します。
マイナンバーカードと運転免許証一体化のメリットとは
マイナンバーカードと運転免許証が一体化することで起こるメリットは、1つ目は証明書の発行や管理が一つとなるため簡素化が出来ることです。特にマイナンバーカードは身分証明書として、個人情報の管理媒体としてすでに運用が始まっています。自治体によっては、マイナンバーカードをもつことで、住民票や印鑑証明書など役所でしか取得できなかった書類の取得が、コンビニ等で行うことが出来るようになりました。これに合わせて運転免許証も一体化することで、情報の管理や発行が簡素化されるため、ユーザーの負担も管理側の負担も減らせることができます。また、一体化することにより、スマホのアプリなどに運転免許証をデジタル化する案も進められており、デジタル化がすすめば偽造免許証などの悪用を防ぐことも可能になるのではといわれています。
マイナンバーカードと運転免許証一体化の不安点は
マイナンバーカードと運転免許証の一体化に向けての不安点は、マイナンバーカードの普及率が低いことに関係しています。マイナンバーカードは完全に義務化されているものではないため、交付を望まない人もいます。特に個人情報を一枚のカードにまとめることで安全性への不安を感じる方が多いようです。また、スマホなどのアプリを使ったデジタル免許証に今後なることへの不安として、スマホを持たない、スマホやアプリの操作が難しそうと嫌厭する方もいるようです。デジタル運転免許証や、マイナンバーカードとの一体化自体は進められていくものの、このように従来の運転免許証の発行自体は継続する考えを警察庁で公表されています。
運転免許の更新もオンラインで出来るようになる?
行政のデジタル化によって、今後は運転免許証の更新もオンラインで受講が可能になるようにすすめられていくようです。具体的にはどのような流れで、オンラインでの更新が可能になるのでしょうか。
運転免許更新講習をオンラインで受講することが可能に
警察庁では2021年度以降に、優良運転者の運転免許更新に必要な講習をオンライン化する方向で固めています。オンライン化受講が可能になることで、優良運転者の更新時間が短縮されるとみています。
現在の優良運転者の更新には、更新時講習を30分受講し、更新手続きの申請を行う必要がありますが、今後は講習をパソコンやスマートフォンなどを使用してオンラインで受講し、受講後に適正検査や写真撮影などを行い新しい免許証を受け取るのみになる予定です。2021年度からいくつかの地方自治体からモデル事業となり運用を開始し、その後全国的に運用される予定となっています。
優良運転者の区分とは…
継続して免許を受けている期間が5年以上で、過去5年間無事故無違反の方であり、ゴールド免許証が交付されます。免許証がゴールドになるため、ゴールド免許=優良運転者の免許と呼ぶ方もいます。
運転免許取得前の学科教習もオンライン化?
警察庁交通局より12月10日に、指定自動車教習所におけるオンラインによる学科教習の実施について基本方針等が決められ、内容の通達が行われました。新型コロナウィルス感染症の予防対策のため、教室での講習に人数制限を設けていたりと教習所自体に負担があったり、教習生にとっても授業が受けづらい環境が続く中、オンラインで学科教習を行うことで教習所・教習生にとっての利便性の向上を図ることが狙いとなっています。
運転免許に関するよくあるご質問
運転免許についてや、運転免許証の更新に関するよくいただくご質問にお答えします!
Q.運転免許証更新の流れは?
A.現在日本在住で、日本の運転免許証を持っている方の一般的な運転免許の更新の流れとしては、まず決められた更新期間内に、住所地を管轄する公安委員会において適正検査を受けます。さらに、免許証の区分ごとに必要な更新時講習を受けたら、申請を行います。更新窓口で、必要な書類を提出し新しい免許証を受け取ることができます。
Q.運転免許証更新の期間は?
A.一般的な運転免許証の更新は、免許証の有効期間が満了する日の直前のその方の誕生日の前後1カ月の期間です。ただし、有効期間の末日が日曜・土曜・祝祭日・年末年始等の休日に当たるときは、これらの日の翌日までの間になります。
Q.運転免許証の区分どのように決められる?
A.運転免許証の区分は、優良運転者・一般運転者・違反運転者・初回更新者・新規取得者に分かれます。
帯の色 | 有効期間 | 区分される内容 | |
優良運転者 | ゴールド | 5年 | 継続して免許を5年以上受けている。違反やケガのある事故を起こしていない。70歳未満。 |
一般運転者 | 青 | 5年 | 継続して免許を5年以上受けている。軽微な違反が1回のみ。 |
違反運転者 | 青 | 3年 | 違反が複数回ある。又は怪我のある事故を起こしてしまった。 |
初回運転者 | 青 | 3年 | 継続して免許を受けている期間が5年未満かつ、違反や事故の有無が違反運転者講習の区分に該当しない。 |
新規取得者 | 緑 | 3年 | 初めて運転免許を受ける人 |