軽自動車を廃車すると、還付金はもらえるのでしょうか。
軽自動車を新車で購入した時や継続車検を受ける時には、車検の有効期間を満たす自賠責保険料と自動車重量税を支払います。また、毎年4月1日現在の所有者には軽自動車税が課税されます。
では、車検の有効期間内に軽自動車を廃車すると、先に支払っていた自賠責保険料や自動車重量税は戻るのでしょうか。また、軽自動車税に還付はあるのでしょうか。
軽自動車を廃車すると還付金はある?
軽自動車を廃車した時、還付金はあるのでしょうか。
軽自動車を廃車した時に戻る可能性があるお金は、自賠責保険の解約返戻金と自動車重量税の還付金です。ただし、それぞれ条件と申請先が異なります。軽自動車税には年度途中の月割還付がありません。
こちらでは、軽自動車を廃車した時に戻る可能性があるお金について詳しくご紹介します。
1|自賠責保険料の返戻金を受け取れる場合がある
自賠責保険は、自動車事故による対人損害を補償するため、法律により加入が義務付けられている保険です。無保険のまま公道を走行すると法律違反となり、罰則の対象になります。
自賠責保険の基準料率は、車種、保険期間、使用の本拠の地域などによって定められています。同じ条件であれば、契約する保険会社によって保険料が変わるものではありません。
軽自動車の新規登録または継続車検を受けるにも、前もって車検の有効期間に充足する期間の自賠責保険に加入する必要があります。
軽自動車を新車購入した場合、初回の登録車検は3年間、以降は2年ごとの車検となります。軽トラックや軽バンなどの軽貨物自動車は初回の登録車検が2年間と異なります。
自賠責保険の加入と新車登録車検や継続車検を通すタイミングがずれてしまうことも考慮し、無保険期間が発生しないように1か月プラスした契約をされている方が多いと思います。
廃車後に自賠責保険の有効期間が残っている場合は、契約した保険会社へ抹消登録等を確認できる書類を提出し、解約を申請することで返戻金を受け取れることがあります。自賠責保険は廃車と同時に自動解約されるものではなく、返戻金も保険会社が解約を受け付けた日や残りの保険期間などに基づいて計算されます。金額や必要書類は契約先へ確認しましょう。
軽自動車の自賠責保険料
| 自賠責保険の契約期間 | 2026年10月31日までに保険期間が始まる契約 | 2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約 |
|---|---|---|
| 37カ月 | 24,010円 | 25,330円 |
| 36カ月 | 23,520円 | 24,830円 |
| 25カ月 | 18,040円 | 19,170円 |
| 24カ月 | 17,540円 | 18,660円 |
| 13カ月 | 11,950円 | 12,830円 |
| 12カ月 | 11,440円 | 12,300円 |
出典:損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率表」(2023年1月18日届出・2026年4月30日届出)をもとに作成
※検査対象の軽自動車に適用される基準料率の例(離島および沖縄県を除く地域)。使用の本拠の地域などによって保険料は異なります。
2|条件を満たせば自動車重量税の還付を受けられる
自動車重量税は、新車を登録するときや車検を受けるときに納める国税です。
自動車リサイクル法が2005年1月に施行されたことに伴い、「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」が始まりました。車検が1か月以上残っている車を適正に解体し、解体届出と同時に還付申請をすると、すでに納めた自動車重量税のうち、残っている車検期間に応じた金額が還付されます。
還付される金額は、その車について実際に納めた自動車重量税をもとに計算されます。そのため、エコカー減税によって重量税が0円だった場合、廃車時に還付される重量税もありません。通常より低い税額を納めていた場合は、その税額をもとに残りの車検期間分が計算されます。
例えば、2年分として5,000円の重量税を納め、車検期間が1年残っている場合、還付額の目安は2,500円です。
自動車重量税額(検査対象軽自動車の場合)
| エコカーを除く自家用車 | 初回検査から13年経過 | 初回検査から18年経過 |
|---|---|---|
| 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
| エコカーを除く事業用車 | 初回検査から13年経過 | 初回検査から18年経過 |
|---|---|---|
| 5,200円 | 5,400円 | 5,600円 |
※2026年5月1日時点の継続検査2年分です。実際の税額は、エコカーに該当するかどうかや初回検査からの経過年数などによって異なります。
2026年5月1日から2028年4月30日までに新車新規検査を受ける車のうち、一定の環境性能を満たす車は、エコカー減税によって自動車重量税が免税または軽減されます。特に高い基準を満たす車は、新車購入後、初めて車検を受けるときなども免税される場合があります。
また、継続検査時に「エコカー本則税率」という通常より低い税率が適用される検査対象軽自動車の場合、重量税は2年分で5,000円です。適用される税額は、車検証の備考欄に記載された情報や初回検査年月などから確認できます。
自動車重量税の納付方法
軽自動車の新規検査(新車)・継続検査(車検)の申請時に自動車重量税納付書を提出しなければ検査を受けることは出来ません。
窓口申請では、自動車重量税額に相当する印紙を購入し、自動車重量税納付書に貼り付けて提出します。電子申請などを利用する場合は、案内された方法で納付します。
自動車重量税の還付金額の計算式
自動車重量税の還付金額は、納付された自動車重量税額×車検残存期間÷車検有効期間の計算式により求めることが可能です。
軽自動車税の還付は?

軽自動車税は、毎年4月1日現在で軽自動車や原動機付自転車などを所有している人に課税される市町村税です。年税のため、年度途中に廃車や名義変更をしても月割りでの還付はありません。
軽乗用車の軽自動車税額
| 旧税額 | 標準税額 | 重課税額 | |
|---|---|---|---|
| 自家用 | 7,200円 | 10,800円 | 12,900円 |
| 営業用 | 5,500円 | 6,900円 | 8,200円 |
※上記は四輪以上の軽乗用車の税額です。軽貨物車などは税額が異なります。
軽自動車税の税額は、車が新規検査を受けた時期により異なります。
2015年3月31日以前に初めて車両番号の指定を受けた車は旧税額、2015年4月1日以降の車は標準税額です。また、初めて車両番号の指定を受けた月から13年を経過した一定の車は重課税額となります。
電気軽自動車、燃料電池軽自動車、天然ガス軽自動車、ガソリン・電気併用軽自動車など、環境負荷の小さい一定の車は重課の対象外です。また、対象期間中に初めて車両番号の指定を受けた一定の車には、翌年度分の軽自動車税を軽減するグリーン化特例が適用される場合があります。

軽自動車を廃車して還付を受け取る方法
軽自動車を廃車すると、自賠責保険の解約返戻金と自動車重量税の還付金を受け取れる場合があります。ここでは、それぞれの手続きについてご紹介します。
自賠責保険の返戻金を受け取るには解約手続きが必要
軽自動車の自賠責保険料の未経過分について返戻金を受け取るには、廃車手続き後、契約した保険会社へ解約を申請します。廃車証明にあたる書類を取得しただけでは、自賠責保険は解約されません。
自賠責保険の解約に使用できる書類は、軽自動車検査協会で行う【自動車検査証返納届】や【解体返納】の手続き後に取得できます。実際に利用できる書類は保険会社へ確認してください。
自動車検査証返納届に必要な書類
- 自動車検査証 原本
- ナンバープレート 前後2枚
- 自動車検査証返納証明書交付申請書・自動車検査証返納届出書(軽第4号様式)
- 申請依頼書 ※使用者以外が手続きする場合
- 事業用自動車等連絡書 ※事業用(黒ナンバー)の場合
解体返納に必要な書類
- 自動車検査証 原本
- ナンバープレート 前後2枚
- 使用済自動車引取証明書に記載された移動報告番号
- 解体届出書(軽第4号様式の3)
- 事業用自動車等連絡書 ※事業用(黒ナンバー)の場合
- 申請依頼書 ※所有者以外が手続きする場合
- 軽自動車税申告書 ※軽自動車検査協会に隣接する税申告窓口などへ提出
自動車検査証返納届では、自動車検査証返納証明書の交付を受けます。証明書の交付手数料は1件450円です。解体返納では、手続き完了を確認できる書類が交付されます。所有者と使用者が異なる場合は事前に所有者の同意を得る必要があるなど、車の登録状況によって追加の確認や書類が必要になることがあります。
自賠責保険の解約方法は保険会社によって異なりますが、廃車されていることが確認できる書類のコピーが必要となります。
返戻金の受取方法は保険会社によって異なります。口座振込の場合に備え、解約申請前に振込先の口座情報を準備しておきましょう。
重量税の還付を受け取るには廃車解体が必要
軽自動車を廃車して重量税の還付を受け取るには、使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度に基づき、対象の軽自動車を自動車リサイクル法に沿って適正に解体する必要があります。
自動車リサイクル法に基づき、使用済自動車は都道府県知事等の登録を受けた引取業者へ引き渡し、許可を受けた解体業者などによって適正に処理されます。廃車を依頼する際は、自動車リサイクル法に対応した業者へ相談しましょう。
車を引き渡すと、引取業者から使用済自動車引取証明書が交付され、そこに移動報告番号が記載されています。解体が完了して引取業者から解体報告の連絡を受けた後に、軽自動車検査協会で解体返納または解体届出を行います。
解体報告が確認できたら、軽自動車検査協会で解体返納または解体届出を行います。軽第4号様式の3に移動報告番号と解体報告記録日などを記入し、自動車重量税の還付申請も同時に行います。
還付申請では、申請者が個人の場合は個人番号、法人の場合は法人番号などの記入が必要です。本人確認書類や還付金の振込先口座も準備してください。代理申請などでは追加書類が必要になるため、軽自動車検査協会の案内を確認しましょう。
軽自動車税について知っておこう

軽自動車税は年税のため還付金はありません。ただし、軽自動車税についての知識をもっておくことで廃車や乗り換えのベストなタイミングがつかみやすくなります。
また、軽自動車税の軽課対象車を知っておくと、乗り換え後の維持費を考える際の参考になります。
こちらでは知っておくとお得な軽自動車税についてお話しします。
軽自動車税は年税、乗り換え時期によっては得?
軽自動車税は年税で、毎年4月1日現在の所有者に課税されます。そのため、4月2日以降に新たに軽自動車を取得した人へ、その年度分が月割りで課税されることはありません。
車検時の軽自動車税の納付状況は、原則として軽JNKSでオンライン確認されます。ただし、名義変更直後、納付直後などは、自治体への確認や紙の納税証明書が必要になる場合があります。
軽自動車税だけを見れば、取得する人に年度途中の月割課税はありません。ただし、購入価格や売買契約上の税相当額、車が必要になる時期もあるため、4月2日以降の購入が一律に得になるとは限りません。
軽自動車税の軽課対象になる車とは
軽自動車税の軽課対象になると、グリーン化特例により、初めて車両番号の指定を受けた翌年度分の税額が軽減されます。現在の特例は、2026年4月1日から2028年3月31日までに初めて車両番号の指定を受ける一定の軽自動車が対象です。
電気軽自動車、燃料電池軽自動車、一定の天然ガス軽自動車は、用途に応じて概ね75%の軽課対象になります。
以前は、一定の燃費・排出ガス基準を満たす営業用乗用車について、概ね50%または25%の軽課も設けられていました。対象期間や基準は税制改正で変わるため、購入年度の制度を確認する必要があります。
自家用のガソリン軽乗用車は、燃費性能が高いという理由だけで現在のグリーン化特例の軽課対象になるわけではありません。
グリーン化特例は、初めて車両番号の指定を受けた年度の翌年度分に限って適用されます。対象車かどうかは、販売店や課税する市区町村へ確認しましょう。
軽自動車を廃車するタイミングのベストは
軽自動車を廃車した時に戻る可能性があるお金と、その手続きについて詳しくご紹介しました。
軽自動車の廃車をするなら、まずは年度内の3月末までに廃車することがポイントです。4月1日時点で軽自動車を所有していると、その年度分の軽自動車税が課税されます。
翌年度に使用しないことが決まっているなら、4月1日を迎える前に廃車手続きを完了できるよう準備しましょう。年度末は軽自動車検査協会や廃車業者が混み合う可能性があるため、必要書類や引取日程を早めに確認することが大切です。
また、4月からの新生活に向けて、中古車市場では軽自動車の人気が一気に上がります。2月から3月に購入の準備をする人が多く、売却価格が高くなる傾向です。そのため、中古車買取を行う業者でも軽自動車の買取相場が、1月から2月にかけて上がることが多くなっています。
中古車買取相場や、廃車や乗り換えのタイミングとしても、年末から年始にかけてがベストなタイミングと言えるでしょう。
廃車や乗り換えを検討されている方は、無料見積可能なカーネクストまで、ぜひお問い合わせください。
普通自動車を廃車すると受け取れる還付金は?
普通自動車は、車購入時の新規登録または継続車検を受ける時に車検期間の充足分の自賠責保険料と自動車重量税を前もって支払う必要があります。
車検の有効期間内に普通自動車を廃車しても、すべてが自動的に還付されるわけではありません。自賠責保険料は保険会社で解約した場合に返戻金を受け取れることがあり、自動車重量税は適正な解体と還付申請を伴う場合に限って還付されます。
また、普通自動車は4月から翌年3月までを一年として自動車税を年間分支払います。
年度途中の2月までに抹消登録すると、抹消した月の翌月から3月までの自動車税が月割りで還付されます。3月に抹消登録した場合は、還付対象となる残月がありません。
使用していない普通自動車は、抹消登録が遅くなるほど自動車税の還付対象月が減り、翌年度まで登録が残れば新たな課税対象になる可能性があります。不要になったことが決まったら、必要な手続きを早めに確認しましょう。
この記事の監修者
板山翔税理士事務所
税理士 板山 翔(税理士登録番号:131908)
小さな会社を対象としたオンライン専門の税理士事務所を運営。税理士事務所や一般企業の経理での勤務経験を持ち、税理士法人では200社以上の会計・税務に携わる。現在はオンラインを活用した税務・会計支援に加え、これまでの起業経験を生かした経営支援や情報発信にも取り組んでいる。




