車をスクラップにしない廃車とは?一時抹消登録のメリットと手続きをご紹介

廃車手続きの基礎

「廃車」というと車を解体して完全に公道を走ることができなくする手続きであると思っている人も少なくないでしょう。確かに、車をスクラップにするのも廃車の方法の1つです。しかし、実は廃車には2種類の方法があります。1つは車を解体して二度と公道を走ることができないようにする手続きである「永久抹消登録」、もう1つは車を解体せずに、一時的に公道を走ることができないようにする手続きである「一時抹消登録」です。

この記事では、一時抹消登録を行なうメリットや一時抹消登録の申請方法、一時抹消後に再度車を公道で走らせるときやそのまま永久抹消登録をするときの手続き方法についてご紹介します。

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一時抹消って?することのメリットは?

車の「一時抹消登録(一時抹消)」とは、一時的に車の車籍を停止し、その期間中は日本国内の公道を走ることができないようにする手続きのことです。車を解体して二度と乗ることができない状態にする「永久抹消登録」とは異なり、一時抹消登録を解消すれば再び公道を走らせることができるようになりますので、海外出張や長期の入院などで長期間車に乗らない場合などに申請しておくとよいでしょう。

では、一時抹消登録を行なうとどのようなメリットがあるのでしょうか。実は、一時抹消登録期間中は、車を所有しているにもかかわらず、一時抹消登録した車について自動車税や自動車重量税、自賠責保険料を支払う必要がなくなるのです。年間数万円かかる自動車税だけで見てもかなりの節約になります。また、一時抹消登録を行なう時期によっては、すでに納付した自動車税、自賠責保険料の一部が還付される場合もあります。

自動車税は4月1日時点での車の所有者に対して課税され、4月1日から翌年の3月31日までの1年間分をまとめて納付することになります。一時抹消登録を行なうと、納めた自動車税の全額が月割りされ、車に乗らない期間に応じた還付金を受け取ることができます。たとえば、排気量1,797ccの「プリウス(トヨタ)」について、4月30日に一時抹消登録が完了したとします。このプリウスの自動車税の年額は39,500円なので、月割りにすると約3,291円/月となります。自動車税の還付は11か月分受けることができるので、3,291円×11か月=36,201円となり、約36,200円ものお金が戻ってくる計算になります。ただし、軽自動車については還付を受けることができないので要注意です。

また、自賠責保険料は自賠責保険の解約申請日から保険契約終了日までの期間について月割りで払い戻されます。自動車税や自動車重量税は運輸支局の税事務所で手続きできますが、自賠責保険の解約は保険会社に問い合わせる必要がありますので忘れないように行ないましょう。2011年3月以前に契約している場合と2011年4月以降に契約している場合とで、自賠責保険料の金額が異なりますので、保険料の返戻金を試算する際には、いつ契約したのかきちんと確認しておきましょう。2011年4月1日以降に契約した乗用車(2年間隔で車検)の自賠責保険料は2年間で19,880円ですので、月割りすると約820円/月となり、残り車検期間(保険契約終了日)が6か月とすると、4,920円戻ってくる計算になります。

一時抹消登録のほうが、車の解体という手順がない分、永久抹消登録よりも早くすみます。そのため、すぐに車籍を一時的にでも抹消したいという場合には、一時抹消登録を行なうというのも1つの手段です。

ただし、永久抹消登録を行なうと、自動車税や自賠責保険料に加えて自動車重量税の還付を受けることができるのに対し、一時抹消登録では自動車重量税の還付を受けることができません。たとえば、車両重量1.0~1.5tの車(2年間隔で車検)の残りの車検期間が6か月だった場合、受け取ることができる還付金の金額は9,450円になりますが、一時抹消登録ではこのお金を受け取ることができないというわけですね。税金や保険に関しては、この点に注意をしておくとよいでしょう。

一時抹消登録の流れとは?費用や必要書類!

長期間車に乗らない場合にメリットが多い一時抹消登録。では、一時抹消登録はどこでどのような手続きをすればよいのでしょうか。一時抹消登録の手続きを自分で行なう場合の流れや必要書類について、さっそくチェックしていきましょう!

まず、一時抹消登録の手続きは管轄の運輸支局で行なうことができます。ナンバープレートにある地名から管轄の運輸支局を調べることができますので、あらかじめ確認しておきましょう。

自分で一時抹消登録を行なう場合、次の書類や物品が必要になります。

名義人の印鑑証明書(発行日から3か月以内のもの)
車検証
リサイクル券に記載されている「移動報告番号」の控え
前後2枚のナンバープレート
名義人の実印
手数料納付書(※申請当日に運輸支局で入手)
一時抹消登録申請書(※申請当日に運輸支局で入手)
自動車税、自動車取得税申告書(※申請当日に運輸支局で入手)
これらの書類や物品を準備し、運輸支局に提出して手数料を支払います。一時抹消登録の場合、収入印紙代として350円かかりますので用意しておきましょう。ナンバープレートも返納したら、運輸支局内にある税事務所で一時抹消登録したことを申請し、税金などの還付手続きを行なうのを忘れないようにしましょう。

一時抹消の期限とは?抹消の解消方法とそのまま永久抹消登録するための方法

一時抹消登録とは、一時的に車が公道を走れない状態にする手続きです。では、この「一時的」とはどのくらいの期間を指すものなのでしょうか。実は、一時抹消登録は解消するための手続きをしない限り半永久的に有効です。延長するための手続きは不要なのです。車の使用を再開したいときや、そのまま永久抹消登録を行なって車を解体したいとき、その時々に応じた手続きをすれば大丈夫です。

一時抹消登録を解消し、再び公道を走れるようにするためには、管轄の運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で「中古車新規登録」を行なう必要があります。少し手間と時間がかかるので、余裕をもって準備するようにしましょう。

まず、中古車新規登録をしに運輸支局に行く前に、市役所や運輸支局などで「仮ナンバー」を申請したり、自賠責保険に加入したりする必要があります。仮ナンバーの申請や自賠責保険への加入は、中古車新規登録を行なうために、車を運輸支局に持ち込む際に必要なので、必ず行なって下さい。

中古車新規登録には、次の書類や物品が必要です。
・申請書(※申請当日に運輸支局で入手)
・手数料納付書(※申請当日に運輸支局で入手)
・定期点検整備記録簿(※申請当日に運輸支局で受け取る)
・車検証(※申請当日に運輸支局で受け取る)
・一時抹消登録証明書
・自賠責証明書
・自動車重量税納付書
・車の名義人の印鑑証明書
・車の名義人の実印
・自動車保管場所証明書(車庫証明書)

これらの書類や物品を用意し、乗用車の場合は運輸支局へ、軽自動車の場合は軽自動車検査協会に仮ナンバーをつけた車を持っていきます。運輸支局や軽自動車検査協会で車検を受け、作業が完了すれば中古車新規登録の手続きを行なうことができます。中古車新規登録を行ない、ナンバープレートを取り付けてもらえれば、公道を走ることができるようになります。

中古車新規登録自体にはそれほど時間がかかりませんが、自動車保管場所証明書を取得したり仮ナンバーを申請したりという前段階をふむ必要がありますので、スケジュールに余裕をもって手続きの準備を進めるようにしましょう。陸運支局で支払う手数料や車検代、ナンバープレート代などは合計5,000円程度ですが、仮ナンバーの申請に750円ほど、自賠責保険(24か月分)に普通自動車で25,830円ほどかかります。そのほかにも自動車税や自動車重量税などの税金がかかりますので、準備しておくようにしてください。

また、一時抹消登録をしていた車を解体し、二度と乗れない状態にする場合には、「解体届出」という手続きをする必要があります。解体届出を自分で行なう場合は、費用はかかりません。一時抹消登録証明書や登録識別情報等通知書、手数料納付書、永久抹消登録申請書を管轄の運輸支局に提出すればOKです。この際、「移動報告番号」、「解体報告記録がなされた日」が必要なので、これらの情報を控えておきましょう。

まとめ

長期間乗らない車に自動車税や自賠責保険料を払い続けるのが無駄だと感じた人は、ぜひ一時抹消登録にチャレンジしてみてください。書類さえそろえば自分で手続きを行なうことができるので、費用を抑えたい人にはおすすめです!

ただ、車を手放すことになる場合は、廃車買取のカーネクストに申し込みされた方が圧倒的に簡単で買取額と還付金の受け取りが可能になりますので、状況に応じてうまく利用しましょう。

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