「車が盗難された!」という場合、パニックになってしまってどうすればいいのか分からなくなりがちですよね。この場合、まずやるべきなのは警察へ盗難の届け出です。
盗難に気づいた時点でできるだけ早く届け出を出すことで、車が見つかる可能性を高くすることができます。しかし、場合によっては盗難車がなかなか戻ってこないこともあります。なので、盗難届を出す以上のことを行なう必要があります。
ここでは、車が盗難にあった場合に廃車手続きをした方がいい理由と、廃車手続きの流れ・費用について解説していきます。
車が盗難にあった!とりあえず廃車手続きをすすめて
車が盗難にあった場合、まずは警察へ車が盗難されたという届け出を出しましょう。そうすることで、盗難車が手元に戻ってくる可能性を高めることができますし、犯罪に使用された場合にトラブルになることを避けることができます。
また盗難車で事故を起こされると、それも所有者の管理責任が問われることになりますから、そのような事態を防ぐためには盗難届けを出すことが大切です。
では、盗難届けを出した後は警察からの連絡を黙って待つだけでいいのでしょうか?
盗難届けを出した後は、廃車手続きをすすめよう!
車が盗難された場合、盗難届けを出した後にやるべきなのが車の廃車手続きです。
廃車手続きというと、「え?まだ乗れる車なのに?」とか、「もしも見つかったら乗るつもりなんだけど…」という方も少なくないと思います。また「手元に車がないのに廃車手続きができるの?」と疑問に思う方もいることでしょう。
基本的に廃車の手続きは書類上の事なので、車が手元にない場合でも手続きをすることは可能です。また、車が盗難された場合は、永久抹消登録ではなく一時抹消登録をすることによって、盗難車が見つかった場合も乗り続けることができるようにしておけます。
廃車の手続きには永久抹消登録と一時抹消登録とがある
車を廃車する際の手続きの方法には、永久抹消登録と一時抹消登録の2つがあります。それぞれの違いを簡単に説明しましょう。
永久抹消登録
永久抹消登録というのは、車を完全に廃車する場合に行なう手続きです。
「車が壊れたので修理せずに廃車にする」「もう何年もずっと使っていないから廃車する」というような、二度とその車に乗ることはないというケースには永久抹消登録を行なうことになります。
盗難車については、「盗難された車が戻ってきても、もうその車には乗る気がない」という場合は、永久抹消登録を選ぶケースもあるようです。
一時抹消登録
これは何らかの事情で一時的に車を使用しないという場合に行なう手続きです。
例えば、「海外赴任で1年以上は車を使わない」とか、「長期入院でしばらく車に乗らない」という場合は一時抹消登録を行ないます。
盗難された車が発見された後、再度乗るつもりであれば一時抹消登録をしておくといいでしょう。そうすれば、車が見つかった時に再登録して乗ることが可能です。
もしも永久抹消登録をしてしまった場合は、「盗難車がコンディションのいい状態で見つかったので再度乗りたい」という場合でも再登録することはできませんので注意しましょう。
廃車手続きをすることのメリット
盗難車が戻ってくる可能性があれば、どうして手間のかかる廃車手続きをしておく必要があるのでしょうか?
その理由は廃車手続きをしておくと、車の納税義務がなくなるからです。
もしも廃車手続きをしなかったら、盗難車が手元になくても自動車税を払い続ける必要があります。しかし廃車手続きをすると、自動車重量税と自動車税の支払いを停止することができます。
また、永久抹消登録をすれば自動車重量税と自動車税が、一時抹消登録をすれば自動車税が、それぞれ有効期限が残っている場合は戻ります。
なので、少し手間はかかるものの、盗難された車の廃車手続きをしておくことのメリットは大きいといえます。
盗難車を廃車にする手続きの流れと費用は?
盗難車を一時抹消登録して廃車にする時の流れと費用についてみていきましょう。
一時抹消登録の手続きの流れ
通常、車の一時抹消登録をする際には車検証とナンバープレートの返却が必要となります。しかし盗難車の場合は車検証も一緒に盗難されていることがほとんどですし、ナンバープレートも手元にないというケースが普通でしょう。
なので、一時抹消登録をするにあたり、まずは車検証の代わりとなる現在登録等証明書を取得するか、車検証を再交付してもらう必要があります。
現在登録等証明書
今現在の車の登録内容が記された書類です。最寄りの運輸支局か自動車車検査登録事務所で発行してもらうことができます。手数料は300円で、申請書代も100円程度なので手続きにかかる費用は400円程度です。
車検証の再発行
紛失した車検証は再発行をしてもらうこともできます。運輸支局等で必要書類をそろえて申請すれば、その日のうちに車検証を再交付してもらうことができます。
登録手数料は300円で申請書代も100円程度です。かかる費用は現在登録等証明書の発行と同じく400円程度となります。
現在登録等証明書を取得、もしくは車検証の再交付をしたら、運輸支局の販売所で一時抹消登録に必要な申請書などを購入しましょう。
申請書を入手したら、書類に記入していきます。記入方法のサンプルが運輸支局にあるので、記載方法が分からない場合でも心配はいりません。
書類を記入したら、ナンバープレートがあれば返却します。ナンバープレートを返却すると、返納したことを示す返納印をもらうことができるので、それをもって登録窓口にいきます。ない場合は、記入した申請書を持ってそのまま登録窓口にいきましょう。
窓口で提出する書類は、下記のとおりとなります。
- 申請書
- 車検証(ある場合)
- 現在登録等証明書(車検証がない場合)
- ナンバープレートを返納したことを証明する返納印(返却した場合)
- 手数料納付書
- 理由書(車検証とナンバープレートのいずれか、もしくは両方がない場合に必要)
- 印鑑証明書
- 実印
- 委任状(代理人によって申請する場合)
これらの書類をそろえて提出すると、廃車手続きを完了することができます。
➡管轄の運輸支局(普通自動車の手続きを行う窓口)はこちらから
➡管轄の軽自動車検査協会(軽自動車の手続きを行う窓口)はこちらから
一時抹消登録にかかる費用
一時抹消登録にかかる費用は基本的に350円です。これに申請書代が100円未満かかります。
盗難車を廃車に?ローンはどうなる?
盗難された車のローンがまだ残っている車という場合、廃車の手続きをしたいと思ってもできないことがあります。
というのは、ローンが残っている車の場合は、使用者の名前は自分名義であったとしても、所有者欄の名前はカーディーラーや信販会社の名前になっているからです。
その場合は、所有者が廃車の手続きをすることになるので、いくら自分が乗っている車が盗まれたとしても、使用者が廃車手続きをすることはできません。
とはいえ、ローンが残っている車でも廃車手続きができる場合もあります。銀行の自動車ローンの場合は、ローン返済中であっても所有者は自分の名前になっているはずですので、廃車の申請をすることができます。
ローンが残っているけど廃車したい場合
盗難された車のローンが残っていて、所有者はディーラーか信販会社になっているものの、それでも廃車したいという場合はローンの残りを一括返済することで廃車手続きをすることができます。
ローンの残りを一括返済すれば、所有者を自分名義に変えることができますので、廃車手続きが可能となります。
しかし、ローンの残りを一括返済するのは難しいというケースもあるでしょう。その場合は、所有者の名前を変えることができないので基本的に廃車は不可能となります。
何も方法がないというわけではなく、別のローンに乗り換えるなどすれば分割払いでも所有者の名前の変更が可能になることもあります。なので、分割で残りのローンを払いたいけど廃車もしたいという場合は、信販会社などに相談してみるといいでしょう。
いずれの方法も難しいという場合は、運輸支局の自動車税事務所で自動車税の免税を申請するという方法もあります。これだと自動車税を払わなくて済みますし、有効期限が残っている自動車税などはかえってきます。ただし、この場合は自動車の解体証明書が必要になりますので、解体ができない場合は申請することはできません。
まとめ
車が盗難された場合にまず行なうのは警察での盗難届けですが、その後、廃車のための手続きをすると自動車税などの納税義務がなくなり、有効期限が残っている税金については戻ってくるというメリットもあります。
一時抹消登録にしておけば、盗難車が戻ってきた時も再登録して乗ることができるので、盗難された場合はぜひ廃車の手続きもするようにしましょう。
なお、車が発見された後に、その車を解体する場合は、カーネクストにお任せ頂ければ廃車費用の無料手続きだけではなく、盗難にあった車の買取もさせていただく事が可能です。
お困りの際は、是非ご利用ください。