自動車もこれだけ国内で販売されていますと、無傷のまま廃車になるまで全うする車もあれば、不幸にして新車購入直後から事故を負ってしまい修復した車も数多く市場には存在します。
毎日様々な車が過去を背負いながら流通しているのが実情です。
昭和の昔の高度成長期であれば中古車選びというのは事故車の定義があいまいだったことから、見分けるのが非常に難しかった時期がありました。
しかし今では中古車は年間数百万台の単位で国内外に流通するようになっているので事故車には業界内でしっかりとし、定義が確立しているのです。
この事故車という言葉は世間一般の世界では非常に様々に使われているものです。しかし、自動車業界、とくに中古車業界では一般人が使う事故車という言葉とは全く異なる明解な定義がなされています。
今回はそんな事故車の定義と査定に、実際どの位影響するのかといったことについてまとめてみました。
事故車の定義は何か?
交通事故や自損事故で車をぶつけたことがある方はかなり多いことと思います。しかし、こうした事故で傷ついて修理した車すべてを中古車業界では事故車とは呼んでいません。
事故車にはより明確な定義が存在するのです。この業界には修復歴車という車の定義あり、これは骨格部分を修理したことがある車のことを呼び、修復歴車が事故車と言われています。
我々がちょっと車をぶつけてしまって修理工場で直してもらったものは、修復歴ではなく修理歴のある車ということになるのです。
したがって、骨格部(フレーム)から外側の部分について修理や部品交換した車は、修復歴車には該当しません。
骨格部分に損傷を受けた場合には、走行にも影響することがありますし、そもそも修理を施しても、その後故障し易いといった悪い影響が残ることがあります。また、中古車市場でもイメージが悪く、縁起の問題から敬遠されやすい車といえるでしょう。
骨格部分以外の修理は、たとえフェンダーをアッセンブリで交換しても、ドア部分やボンネットを交換したとしても、修復歴には当たりません。
このように事故車に対する、世間の一般的な考え方と中古車業界で定義された要件とはかなり異なっていることがわかります。
現在の中古車は、ネットオークションなどで流通することから、必ずしも現車を確認せずとも、同一の評価基準を使って査定が可能になっています。
中古車に関与する団体も一般財団法人日本自動車査定協会(日査協・JAAI)や一般社団法人自動車公正取引協議会(公取協)、さらに一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)といった大きな組織が存在しますが、修復歴車に関する定義はこうした団体で同一の基準を適用していますので、評価も横並びのものとなっているのです。
骨格部分というのはどこを指すのか?
それでは、具体的に車の骨格というのはどこのことをいうのでしょうか。
具体的な修理箇所としては、車のボディを支えるフレーム、ピラー、ルーフパネルおよび、トンランクフロアがこの骨格に該当します。
このいずれかを修正、修理した場合は修復歴のある車ということになるのです。
ボディが衝突によりフレームが曲がってしまうと、まっすぐ走行できなくなり、ピラーやルーフパネルに修正が入るというのも横転など大きな損傷を受けた可能性が極めて高くなります。
追突などでフレームが歪んだ場合、トランクフロアにも歪みが出ることから修理が必要になります。
このような車は専門機器となるフレーム修正機を利用して引っ張ったり、押したりして、もとの形に戻すことができるのです。その過程でピラーやルーフ、トランクフロアなども細かく修正されています。
最近のコンピュータを導入した修正機器による修復は、ミリ単位までの精度があり、かなりのレベルでもとに戻るとされています。しかし、やはり市場でのリセールバリューは低く、どうしてもその後の流通価格に反映してしまうことになるのです。
こうした修復歴のある車というのは、大事故を起こしたために修復したとものであると思われがちです。しかし、もちろんそうしたケースがあるものの実は少しぶつけただけでもぶつけ方が悪く、フレーム部分に破損個所が届いてしまい修正を行ったような場合。そんなときは修復歴ありの車に該当してしまうこともあるのです。
つまり修理の大小は修復歴になるかならないかとは関係ないということも覚えておく必要があります。
さらに車が損傷を受けたままの場合は、修理ができていなくても修復歴車に該当することになります。なので、こちらも注意が必要です。
直していないのだから修復歴はないというのは少し違い、フレームに該当する部分に損傷のある車は列記した箇所の修理の有無にかかわらず、修復歴車と呼ばれるのです。
修復歴のある車はどのくらい査定額が減額されるのか
では、具体的にこの修復歴のある車というのは、手放す時にどの位査定額に影響が出るものなのか考えてみます。修復歴車をお持ちの方にとってはもっとも気になるポイントが査定額の減額ではないでしょうか。
新車に近いほど査定の減額率は大きくなる
まず修復歴のある車は新車から時間が経っていない新しい車ほど、査定額が減額されることになります。
多くの顧客がそうした車を購入することが損であると感じることから、なかなか流通しないということも減額の大きな理由といえます。
なので、基本的に高年式車(新しい車)の事故車に関しては、カーネクストに買取に出してその車のパーツで査定額を出してもらった方が、中古車市場よりも高く売る事が可能となるのです。
時間が経っても事故車の査定減額はそれなりに大きい
ただ3年落ちぐらいまでの車ですと、査定時にそれなりに売却価格が下がることを覚悟する必要があります。
まず、軽自動車でほぼ20万円前後、普通車でも30万から場合によっては50万円程度の減額となるケースがあります。やはり修復歴車になってしまうとかなり損な存在であることがわかります。
事故車であることを隠すことはできない
ここでひとつ重要なポイントとなるのが、事故車であることは隠すことができないということです。
そもそも修復歴のある車に該当する場合、買い取りを受ける場合にしっかりと自己申告をする義務があります。
まったくそれを告知しなくても、ほとんどは業者の査定時にすぐばれてしまうものですが、仮に修復歴を隠したまま査定・売却して事後に修復歴のある車であることが発覚する場合もあります。
その場合、虚偽の売買契約を締結したことになりますので、事後であっても減額請求の対象になります。十分に注意が必要です。
修復歴車であることから中古車として売却ができない場合、廃車を考える必要がでてきますが、そうした場合でも専門の買取店にご相談いただければ、確実に売却は可能です。
当然ながら、カーネクストなら確実に買取を実現することができます。
まとめ
事故車というのは国内の中古車業界ではしっかりとした定義が確立しています。正確には修復歴車というのが業界で認識される事故車にあたります。
修復歴車とはフレーム、ピラー、ルーフパネルおよびトンランクフロアといった車の骨格部分を修理したものをそう呼んでいます。ただし、この修復歴車は必ずしも大事故による修理を経験したものではなく、軽微な事故でも骨格部分を修復した場合には修復歴車として評価されることになってしまいます。
3年程度利用した場合でも、減額となる金額は軽自動車でも20万円程度、普通車ならば車としてどの程度動くのか次第になりますが、30万から50万円程度の減額は覚悟しておかなくてはなりません。
最近では修復歴のある車でも気にしないという中古車ユーザーが存在するようですが、それも安いからこそ気にしないのであって通常の中古車の価格ではなかなか流通しないのが現状です。
運悪くこうした修復歴のある中古車を手放す場合に、なかなか売却できない等の問題がある時にはぜひカーネクストにご一報いただければ、確実に売却をお手伝いすることができます。